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花粉症とその対策〜早めの準備で発症予防

2013年2月1日

利根中央病院

耳鼻科医師

 星野 竜

 春が近づき花粉症の方々にとってつらい時期の到来となりました。花粉症の患者さんは年々増加傾向でありますが、最近はさまざまな薬が開発されており、症状の改善を図ることができます。今回は花粉症の治療とその対策についてお話します。

花粉症とは

 花粉症は花粉に対するアレルギー反応です。体の免疫反応が花粉に対して過剰に反応するために起こります。鼻づまり、水様性鼻汁、くしゃみ、涙や目のかゆみなどの症状があらわれます。  

花粉症の種類

 

 花粉症を引き起こす植物は約五〇種類が報告されております。その中でも、代表的なものは皆さんがご存知のとおりスギ花粉です。スギ花粉症は花粉症全体の約七〇%を占めると推察されており、これは日本の国土に占めるスギ林の面積が大きいためだと考えられています。(日本の国土の一二%です)

 関東地方では、二月から三月はスギ花粉、四月から五月はヒノキ花粉、六月から八月はカモガヤなどのイネ科花粉、八月から十月はブタクサやヨモギなどの雑草類の花粉が主に飛散しています。今年は特に花粉の飛散量の増大が見込まれており、早めの対策が重要と思われます。

診断と予防

 

 花粉症の診断は花粉飛散時に前述の症状の出現や血液中にある花粉に対する抗体の存在などの検査で診断されます。さらに耳鼻咽喉科では鼻粘膜を直接みてアレルギーに対する反応を観察します。

 花粉症対策の一番の方法は花粉への暴露を避けることです。具体的にはマスクやメガネなどの着用です。マスクの着用は吸い込む花粉の量を三分の一から六分の一に減らすことができ、鼻症状を少なくさせる効果が期待されています。また、花粉症でない方も花粉を吸い込む量を少なくすることで、新たに花粉症になる可能性を低くすることが期待できます。しかし、風が強いと鼻の中に入る花粉はマスクをしていても増え、効果は減弱するとの報告もあります。マスクをしていても完全防備にはならず、過大な信用は禁物です。

 メガネの着用は花粉の飛散の多いときには眼に入る花粉の量を二分の一から三分の一にすることができます。

 また、うがいも効果があります。鼻の粘膜には線毛があり、粘膜上の異物を輸送しています。うがいはのどに流れた花粉を除去するのに効果があります。外出から帰ってきたら、風邪の予防にもなりますのでうがいをしましょう。花粉が付着するのは外にでている頭と顔ですので、外出後の洗顔もおすすめです。頭は帽子の着用が良いと思われます

花粉症予防は

花粉症予防は花粉の暴露を防ぐことが大切

大久保公裕監「花粉症の正しい知識と治療・セルフケア」より

花粉症の治療

 

 花粉症などのアレルギー疾患で増殖する細胞の活性を抑制したり、その細胞からつくりだされる化学伝達物質の放出を制限したり、ヒスタミンなどの化学伝達物質が神経や血管に作用するのをブロックするなどの薬の作用により、花粉症のさまざまな症状を緩和することが可能です。治療に使用される主な薬剤は以下のものがあります。

@抗ヒスタミン薬

 くしゃみや鼻汁が主症状である場合はよく使用されます。効果発現は数日と他の薬剤より即効性があり持続性もあります。副作用として多少眠気がでることがあります。

A坑ロイコトリエン薬

 鼻粘膜の血流を改善する効果があり、鼻づまりが主症状の場合によく使用されますが、鼻汁、くしゃみの改善効果もあります。内服開始後一週目で効果が発現します。

B化学伝達物質遊離抑制薬

 肥満細胞というアレルギーに深い関係のある細胞から出される化学物質を抑える働きをします。作用は緩やかであり効果が出るまで約二週間かかります。副作用も少ないです。

C点眼薬

 点眼薬では化学伝達物質遊離抑制薬、坑ヒスタミン薬が主体です。症状が激しいときにはステロイド点眼薬が使用されることがありますが、眼圧の上昇に注意が必要です。

D鼻噴霧用ステロイド薬

 鼻づまりが主症状の場合によく使用されますが、くしゃみや鼻汁の改善効果もあります。局所で高い効果を発揮し、全身性副作用が少ない安全性の高い薬剤です。

 実際は作用機序の異なる薬剤を重症度に応じて適切に使い分けることで治療を行っていきます。毎年、症状が激しい患者さんには花粉の飛散する約一カ月前から治療を開始するのが有効とされておりますので、早めの受診をおすすめいたします。