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こどもの喘息について 〜まず環境の整備を〜

2011年12月1日

利根中央病院
小児科医師

金子真理

  『ぜんそく』って聞いたことはあるけど、よくわからない。そんな方も多いと思います。今回は、こどもに意外に多い喘息について、どんな病気で、どんな治療が必要なのか簡単に説明したいと思います。

喘息(ぜんそく)とは

 喘息は、呼吸をするときにヒューヒュー、ゼイゼイという音(これを「ぜんめい(喘鳴)」と言います)が聞こえる呼吸困難を繰り返す病気です。小児の場合、大人と比べて、気道(空気の通り道)が狭いため、風邪の種類によっては、喘息の子供でなくとも、ゼイゼイすることがあります。そのため、一般的に3回以上の喘鳴を繰り返す時に喘息と診断されます。

喘息のお子さんの気道は、発作がないときでも慢性的な炎症(気道炎症)を起こしていて、赤くはれて痰がたまりやすくなっています。また、タバコや花火の煙、運動、気象の変化、ストレスなど、わずかな刺激でも気管が敏感に反応して(気道過敏性の亢進)発作を起こすことも喘息の特徴です。季節の変わり目に流行する様な「風邪」にかかったり、室内のダニやカビ、動物のふけなど(アレルゲン)を吸ってしまうと、発作が起こりやすくなります。
喘息発作の症状と対応

 喘息の症状は、せきと喘鳴、息苦しさですが、喘鳴が激しいときには、肩で呼吸をする、息を吸う時に胸がベコベコへこむ、脈がとても速い、話すのが苦しい、横になれない、眠れない、きげんが悪く泣き叫ぶなどの症状が現れます。こんな症状が出た時は、注意が必要です。特に、小さなお子さんは自分で息苦しさを訴えることが出来ないので、様子をよく観察してください。     

発作のときは、楽な姿勢をとらせ、水を飲ませる。発作の誘因から遠ざける(外にでるだけで改善することもある)、発作を抑えるとん服薬(メプチン、ホクナリンなど)あるいは吸入(ベネトリンやサルタノール)を用いる。それでも治まらないときは我慢せずに病院を受診しましょう。発作時の対処法を前もって主治医の先生と相談し、あわてずに対処できるようにしておきましょう。
喘息発作の予防は?

 最初に説明したように、喘息は慢性的な病気です。発作が起きていなくて、本人は元気に過ごしていても、気道(空気の通り道)には炎症が残っています。治療せずにいると、ちょっとした風邪、タバコやほこりなどアレルゲンとの接触で、ゼイゼイしたり、咳がでたりを繰り返してしまいます。


喘息と診断された場合は


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まず環境の整備を行いましょう。掃除機で一日一回はよく掃除をしましょう。じゅうたんや、布製のソファ、ぬいぐるみなどはダニのすみかとなりやすいので、なるべく置かないようにしましょう。動物の毛やフケはそれ自体がアレルゲンになりますが、ダニが増える原因ともなるので、毛や羽のあるペットを飼うのは避けた方が良いでしょう。また、タバコの煙を吸うと喘息を悪化させたり、治りが悪くなります。ご家族は子供の前で喫煙するのは絶対にやめましょう。


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次に、重症度にあわせた発作を起こしにくくするための予防薬を用いることが治療の基本になります。「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン」に基づいた治療法が普及して、子どもたちの喘息の治療およびコントロールは非常に良くなっています。年齢によって少し治療薬剤や投与量が異なるところもありますが、基本治療は吸入ステロイド(フルタイド、キュバール、パルミコートなど)あるいはロイコトリエン受容体拮抗薬(オノン、シングレア、キプレスなど)になります。

しっかりと治療を行い、発作のない状態を維持しましょう。喘息と診断されても、きちんと治療をすることで、他の子どもと同じように運動も旅行もできるようになります。主治医の先生とよく相談して、お子さんにあった治療を選択して発作がなく不安のない生活をおくれるようにしましょう。

 
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