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骨粗鬆症について −DXA法で骨密度測定を-

2010年11月1日

 

利根中央病院
産婦人科医師
小暮佳代子

 骨粗鬆症は更年期以降の中高年女性におきやすい病気です。骨は「つくられ」「壊され」を繰り返していますが女性ホルモンが減少することで、骨が壊されやすくなり、カルシウムの吸収も悪くなり、骨粗鬆症がおきてきます。 「特にけがをしなくても骨が折れてしまう」あるいは「骨密度が下がっている」場合は骨粗鬆症と診断されます。 骨折をするより前の、「骨密度が下がっている」状態で見つけることが大切です。
どんなふうに診断するの?症状は?

 「知らないうちに背骨に骨折がある」場合などにはそれだけで骨粗鬆症と診断されますが、そうなってからでは、既にいろいろな悪影響、具体的には腰や背中の痛み、背骨が曲ったりや姿勢が悪くなること、消化器や呼吸器の機能異常などが出ている可能性があります。

 背骨の骨折では一カ所骨折すると知らないうちにどんどん骨折が広がっていくことがありますし、足(特に太もも)の骨折がおきれば、痛みがあるだけでなく、治療に手術が必要になります。手術をしても、手術の後も歩行に障害が残ったり寝たきりの原因となったりする可能性があります。

 こういった悪影響を避けるために、実際に骨折を起こす前の、「骨密度が下がっている」状態で治療をはじめることが必要です。骨密度が下がっているかどうかは骨密度測定で解ります。骨密度測定にはいくつかの方法がありますが、当院では骨密度を比較的正確に評価できるとされるDXA法で測定しています。最近新しい測定器械を導入し、以前から測定していた背骨の骨密度だけでなく、太ももの骨の骨密度も測定できるようになりました。これにより、背骨や足の骨折の危険性を知ることができます。検査結果は「あお」「き」「あか」で表示され、信号機と一緒で「あお」は大丈夫、「き」は注意、「あか」は危険です。検査を受けた方には、この成績表をお渡ししています。何回も検査を受けて頂いている場合、今回の成績だけでなく前回以前の成績も表示され、「よくなった」「悪くなった」が解るようになっています。


どんな時に治療が必要?

 骨密度検査を受けた結果が、「き」「あか」だった場合には、骨折しやすい状態と考えられ治療を開始します。 治療薬にはいくつかの種類がありますが、年齢や状態により、使い分けていきます。お薬を飲み始めてからも定期的に骨密度を測定し、結果を見ながらいくつかの骨粗鬆症治療薬を組み合わせて使うこともあります。

 現在、骨粗鬆症の標準治療薬とされるのはビスフォスフォネート製剤です。製剤によって1週間に1回内服するものや、毎朝内服するものがあります。いずれも内服してからすぐに横にならないことや食べたり飲んだりしないことが必要であり、食道に病気がある方は内服できません。また、抜歯の際にはお薬を休む必要があり、歯科医あるいは医師にご相談いただければと思います。

骨粗鬆症を予防するには?

 骨粗鬆症の予防には、食事 (カルシウム、ビタミンDやビタミンK、タンパク質の充分な摂取)、日光に当たってビタミンD補充 (通常生活を送れば充分日光に当たれるので、当たりすぎる必要はありません)、適度な運動が大切です。これらには、中高年だけでなく成長期からすべての年齢で気をつけることが必要です。過度のアルコールや喫煙も避けましょう。

    中高年以上では早期発見のために骨密度検査を受けることが有用です。また、骨折しないために、住環境を見直すことも重要と考えられます。
おわりに

 骨粗鬆症は自覚症状に乏しく、病気が進行して骨折を起こしてしまえば様々な障害を起こします。寝たきりの原因の1割以上が骨粗鬆症による骨折であるとの報告もあります。健やかな高齢期を過ごすために、成長期を含め全年齢層で適切な生活を送ること、特に中高年以上では積極的に骨密度検査を受け、必要であれば早期に治療を受けることが大切です。