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白内障について −食事・紫外線対策で予防-

2010年9月1日

 

利根中央病院
眼科医師
大島美穂

 「白内障」とは、目の中の水晶体と呼ばれるレンズが濁ってくる病気のことです。目の老化現象である白内障は60歳代で70%、80歳以上になるとほぼ100%の人にみられると言われています。今回は身近な病気である白内障についてお話します。
白内障とは

  人間の目はよくカメラに例えられますが、カメラのレンズに当たる部分が水晶体と呼ばれます。水晶体は瞳の後方に位置する器官で、直径約9mm、厚さ約4mmの透明な凸レンズの形をしています。外界からの光を網膜に焦点が合うよう集めること(屈折)、膨らんで近くに焦点を合わせること(調節)、網膜にとって有害な紫外線を吸収することなどが主な働きです。若い時期の水晶体は柔らかく透明ですが、年齢とともに硬く、厚みを増し、白色〜黄白色に濁っていきます。白内障の原因で最も多いのは加齢によるものですが、その他、アトピー、糖尿病、外傷によるもの、先天性のもの、ステロイドなどの薬剤によるもの、目の病気に伴って起こるものなどがあります。

症状
 水晶体が濁ると様々な症状が出てきます。一番多いのは「目のかすみ」で、白い霧がかかったようにぼやけて見えます。その他、「まぶしい」「暗い場所で見にくい」「物が二重・三重に見える」「視力低下」などがあります。また水晶体の濁りが強くなることで屈折力が強まり「近視が進む」ため、一時的に老眼が良くなったような状態になることもあります。
治療

 白内障の治療には、薬物治療と手術治療があります。薬物治療には点眼薬、内服薬があり、これらは水晶体の内部のタンパク質の変性を抑える作用があります。しかし、老化を防ぐことができないのと同じように、薬物治療で白内障の進行を遅らせることはできても、すでに濁った水晶体を透明に戻すことはできません。進行した白内障に対しては、濁った水晶体を取り除き、眼内レンズを挿入する手術治療が一般的に行われます。

手術について

 手術時期は、特殊な例を除いては、本人が見え方に不自由を感じた時期です。同じ視力でも生活や仕事の仕方により感じ方は異なるからです。また、運転免許の更新に必要な視力(0.7)を下回ったときなども手術を考えるタイミングの一つです。

 手術では、濁った水晶体を取り除いて新しいレンズ(眼内レンズ)を挿入します。

水晶体は薄い袋に包まれていますが、2〜3mmの小さな切開創から超音波の器具を挿入し、水晶体の周りの袋だけを残して中身をすべて吸引します。次に残った袋に眼内レンズを入れます。最近では柔らかい素材によるレンズが一般的で、折りたたんで小さい創口から挿入することが可能です。手術は通常局所麻酔で行われ、患者さんの身体的負担は小さくすみます。手術直後は、目が充血し、ゴロゴロする、涙が出るなどの症状が出ることもありますが、これらは数日から1〜2週間でなくなります。また、手術後1〜3ヵ月は手術で起きた炎症を抑え、感染を防ぐために点眼薬を使用します。

手術に伴う合併症は非常に小さい頻度ですが起こる可能性がありますので、手術を受ける場合には十分な説明を受け、理解しておく必要があります。
予防

1 食事

 食べ物で白内障を治すことはできませんが、予防という意味では食べ物はとても重要です。ポリフェノールやビタミンC・Eなどの抗酸化作用のある食べ物がよいとされます。具体的には、お茶、大豆、ブルーベリー、にんじん、パセリ、ほうれん草、トマト、みかん、かぼちゃ、柿、ブロッコリー、ハーブ、ゴマなどです。また、「脂っこい食事や糖分を控える」、「緑黄色野菜をたくさん摂る」、「水分をたくさん摂る」なども大切です。

2 紫外線対策

 紫外線は長い時間をかけて水晶体に吸収され、それが白内障の原因のひとつとされています。紫外線をカットしてくれるサングラスや帽子などで目を保護することは白内障の予防になります。

さいごに

 眼疾患には加齢に伴って増えるものが多く、しかも自覚症状のないものもありますから、中年以上では定期的な眼科診察を受けることをお勧めします。一般的には、老眼鏡が必要となった時期が眼科受診のよいチャンスであると考えられます。